糖尿病の人が食べてはいけないものはある?食事を楽しむコツやおすすめの食事例も紹介

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糖尿病って食事制限が厳しくて不安?

家族が糖尿病と診断されたのだけど、食事はどうすればいい?

糖尿病の人が食べていけいない食事はある?

糖尿病と聞くと、さまざまな心配事が出てきますよね。

日本糖尿病学会や厚生労働省が発表しているデータに基づきますと、日本では糖尿病の方と糖尿病予備軍の方を合わせると、約2,000万人いると言われています。

日本人の約16% ≒ 6人に1人 が、糖尿病もしくは予備軍 と言われています。

そこで今回は、身近な病気とも言える糖尿病と食事について解説します。

この記事を読むことで、症状を緩和するのに、どのように食事に気をつければいいのかが分かります。

ヘルシーな糖尿病の食事療法は、糖尿病を予防したり、他の病気の予防にも役立つ内容です。

ぜひ、皆さまの健康維持に役立ててくださいね。

そもそも糖尿病ってどんな病気?

糖尿病は、

血糖値が慢性的に高くなる病気。

体が糖を適切に利用できず、インスリンというホルモンが不足するか、効きにくくなることで発症。

これにより、血液中の糖が異常に増え、さまざまな合併症を引き起こすリスクが高まります。

インスリンは、血糖値を下げて体内のエネルギー管理を行うホルモン。

糖尿病の治療において非常に重要な役割を果たしています。

糖尿病は、1型、2型、妊娠糖尿病の3つに分類され、特に2型糖尿病は生活習慣と深い関わりがあります。

適切な食事や運動、医師の指導による治療が必要です。

糖尿病の方が食べてはいけないものはある?

糖尿病だからと言って、食べるとダメなものはありません

もちろん食べ物によっては、血糖値に大きな影響を与えます。

そのため糖尿病の方が、量や頻度に注意すべき食べ物はあります。

ただし、食事をやみくもに制限する必要はないので安心してくださいね。

糖尿病は「完治を目指す」よりも「コントロールしてうまく付き合っていく」病気です。

そのため、糖尿病の食事療法は長期にわたります。

正しい知識を身に付けて、健康的で無理をしない食事療法にしましょう。

糖尿病に食事療法はなぜ必要?

糖尿病の方は血糖値をコントロールする必要があります。

普段の食事も大切な治療法となります。

糖尿病・・・高血糖状態が続く病気。
しかし自覚症状は現れません。

そのため健康診断などで高血糖と指摘されても、通院や治療をせずに放置しているケースも多いようです。

糖尿病の怖いところは、さまざまな合併症を引き起こすことです。

糖尿病には、下記の合併症があります。

【糖尿病の合併症】

  • 糖尿病神経障害:手足のしびれや感覚が鈍くなるなど
  • 糖尿病網膜症:目が見えにくくなる
  • 糖尿病腎症:腎臓の働きが悪くなる
  • 壊疽(えそ): 血流が極端に悪化すると組織が壊死する
  • 脳卒中
  • 心筋梗塞:動脈硬化を進行

これらの合併症を予防するため、また悪化させないためにも、血糖値をコントロールする必要があるのです。

ご自身の改善すべき点を見つけ、血糖値のコントロールが良好となるような食事を目指しましょう。

糖尿病の方が注意すべき食べ物一覧

ここでは食事の改善点を見つける手がかりとなるように、糖尿病の方が注意すべき食べ物について解説します。

6人に1人が「糖尿病・糖尿病予備軍」の人たちです。

高血糖状態を継続させないためには、必要なエネルギー量と栄養素を過不足なく摂ることが重要です。

食べすぎは良くないからと言ってただ食べる量を減らすと、体調悪化の原因に。

1日3食バランスよく食べることを心がけたうえで、これから紹介する食べ物の摂り方について見直してみてくださいね。

血糖値が上がりやすい食べ物

血糖値を上げるのは、糖質です。
糖質の多い食材と、実際に入っている量を確認してみましょう。

主食類

  • 白米: 100gあたり約36.8gの糖質
  • パン(特に食パンやロールパンなど): 1枚あたり約25~30gの糖質
  • パスタ(乾燥状態): 100gあたり約70gの糖質
  • もち: 1個(約50g)あたり約24gの糖質
  • うどん: 1玉あたり約42gの糖質
  • ラーメン: 1杯(麺のみ)あたり約55gの糖質

果物類

  • バナナ: 1本(約100g)あたり約21gの糖質
  • ぶどう: 100gあたり約15.2gの糖質
  • マンゴー: 100gあたり約15.6gの糖質
  • リンゴ: 1個(約150g)あたり約20gの糖質
  • : 1個(約150g)あたり約30gの糖質

野菜類

  • じゃがいも: 1個(約150g)あたり約27gの糖質
  • さつまいも: 1個(約150g)あたり約54gの糖質
  • かぼちゃ: 100gあたり約20gの糖質
  • にんじん: 1本(約100g)あたり約7gの糖質
  • とうもろこし: 1本(約100g)あたり約18gの糖質

豆類

  • あずき(煮): 100gあたり約24gの糖質
  • えんどう豆(煮): 100gあたり約11gの糖質
  • 白いんげん豆(煮): 100gあたり約23gの糖質
  • レンズ豆(乾燥状態): 100gあたり約60gの糖質

加工食品・お菓子類

  • ケーキ(ショートケーキなど): 1個あたり約40~50gの糖質
  • チョコレート: 100gあたり約50gの糖質
  • ビスケット: 100gあたり約60~70gの糖質
  • ドーナツ: 1個あたり約25~30gの糖質
  • アイスクリーム: 1カップ(約120g)あたり約25~30gの糖質

飲み物

  • ジュース(オレンジジュースなど): 1杯(200ml)あたり約20gの糖質
  • スポーツドリンク: 500mlあたり約30gの糖質
  • ソフトドリンク(コーラなど): 500mlあたり約50gの糖質
  • 甘いカフェラテやフラペチーノ: 1杯あたり約30~50gの糖質

調味料

  • 砂糖: 1杯(約15g)あたり約15gの糖質
  • ケチャップ: 大さじ1(約15g)あたり約4gの糖質
  • みりん: 大さじ1(約18g)あたり約10gの糖質
  • はちみつ: 大さじ1(約21g)あたり約17gの糖質

これらの食べ物は糖質が多いので、糖尿病管理や低糖質ダイエットを行っている場合は、量に気を付けて摂取することが重要です。

糖質の量を意識しながら、バランスの良い食事を心がけると良いでしょう。

血糖値を安定させるために、避けるべき食べ方7選

毎食糖質の量をある程度一定にすると、血糖値が安定しやすくなるとわかっています。

したがって血糖値を安定させるためにも、次のような食べ方は避けましょう。

1. 糖質が多い食べ物を大量に一度に摂る

  • : 白米やパン、パスタなど糖質が多い主食を一度に大量に食べる。
  • 結果: 血糖値が急激に上昇し、その後急激に低下することがあります。特に糖尿病患者や糖尿病予備軍の方は、これにより血糖値のコントロールが難しくなります。

2. 単一の糖質ばかりを食べる

  • : お菓子や果物だけを食べる、炭水化物だけの食事をする。
  • 結果: 糖質だけを摂ると、血糖値が急上昇し、その後低血糖を引き起こすリスクがあります。特に、単糖類(砂糖やフルーツジュースなど)は急激に血糖値を上げます。

3. 食事を抜く、または不規則な食事をする

  • : 朝食を抜く、夕食を夜遅くに食べる、一日一食だけにする。
  • 結果: 長時間空腹の後に食事を摂ると、体が血糖値を急激に上げようとし、不安定な血糖値を引き起こします。さらに、空腹時間が長いとインスリンの働きが乱れることがあります。

4. 食べるスピードが速い

  • : 食事を急いで食べる、噛む回数が少ない。
  • 結果: 急いで食べると、血糖値が急上昇しやすくなります。ゆっくり食べることで、血糖値の上昇を抑えることができます。
てっつー
てっつー

よく噛んで、ゆっくり食べるだけで、健康に

5. 食後にすぐに横になる

  • : 食後すぐにソファやベッドで横になる。
  • 結果: 食後すぐに横になると、消化が遅れ、血糖値が不安定になることがあります。軽い運動(食後の散歩など)が推奨されます。

6. 高GI食品を単独で食べる

  • : 砂糖をたっぷり使ったお菓子、白パン、スナック菓子などを単独で食べる。
  • 結果: 高GI食品(グリセミック指数が高い食品)は、血糖値を急激に上げるため、安定した血糖値の維持が難しくなります。
    これらを単独で食べると、急な血糖値の変動を招く可能性が高いです。

グリセミック指数(GI値: Glycemic Index)は、食品がどの程度速く、そしてどのくらい血糖値を上昇させるかを示す指標です。0~100の数値で表します。

7. 過度なカフェイン摂取

  • : コーヒーやエナジードリンクを大量に飲む。
  • 結果: カフェインは一時的に血糖値を上昇させる可能性があり、特に空腹時に摂取すると血糖値の安定を妨げることがあります。

※糖尿病の管理や症状は個人の体調や症状によって大きく異なります。

必ず主治医や管理栄養士と相談して食事計画を立てる必要があります。

【注意】高カロリーな食べ物 7選

高カロリーな食べ物として、油脂類を多く含むものが代表的です。

下記の一覧を見て、食べる量や頻度の高いものがないか確認してみましょう。

1. 揚げ物

  • フライドポテト: 油で揚げられたポテトは非常に高カロリーで、100gあたり約312kcal。
  • 天ぷら: エビ天ぷら1個(約30g)で約80kcal。
  • カツ: とんかつ(約150g)で約400~500kcal。

2. 加工肉類

  • ベーコン: 1枚(約10g)で約40kcal。脂肪分が多く、高カロリーです。
  • ソーセージ: 1本(約30g)で約100kcal。脂肪が多く含まれています。
  • サラミ: 100gあたり約450kcal。

3. 乳製品

  • バター: 大さじ1杯(約14g)で約100kcal。脂肪分が非常に多いです。
  • クリームチーズ: 100gあたり約350kcal。
  • 生クリーム: ホイップクリーム100gあたり約340kcal。

4. ナッツ類

  • アーモンド: 100gあたり約600kcal。栄養価は高いが、カロリーも高いです。
  • ピーナッツ: 100gあたり約570kcal。
  • クルミ: 100gあたり約650kcal。
てっつー
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ナッツは昨今の健康志向で食べる方が多いです。

食べる量に注意してくださいね。

5. スナック菓子

  • ポテトチップス: 100gあたり約550kcal。油で揚げられているため、高カロリーです。
  • チーズスナック: 1袋(約60g)で約300kcal。油脂を多く含んでいます。

6. デザート類

  • クロワッサン: 1個(約70g)で約270kcal。バターを多く使うためカロリーが高い。
  • チョコレートケーキ: 1切れ(約100g)で約350~450kcal。
  • アイスクリーム: 100gあたり約200~300kcal(商品による)。

7. ドレッシングやソース

  • マヨネーズ: 大さじ1杯(約15g)で約100kcal。油脂が主成分です。
  • サラダドレッシング(クリーミータイプ): 大さじ1杯で約70kcal。

これらの食品は脂質が多いため、高カロリーです。

特に体重管理や健康を考える場合、これらの食品を適度に摂取することが推奨されます。

調理方法や食べ合わせを工夫することで、カロリー摂取を抑えることも可能です。

ちなみに高カロリーな食べ物でも量や頻度を調整すれば、糖尿病の方でも楽しめます。どのくらい食べていいのかは症状により人それぞれです。

主治医や管理栄養士に確認しましょう。

適切なエネルギー量の一般的な計算方法は、のちほどご紹介しますね。

【注意2】塩分の多い食べ物 7選

糖尿病の方は高血圧になりやすいため、減塩を意識することが重要です。

塩分の1日摂取量の目安は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。

すでに高血圧である場合は、重症化予防のため男女ともに1日6.0g未満にしましょう。

世界保健機関(WHO)では、一日の塩分摂取量の目安は5.0g/日未満 です。 

現状は多くの国や地域では、5.0g/日以上摂取なっている大きな要因は、加工食品や外食 と言われています。

なお塩分の多くなりやすい食べ物の一覧は、次の通りです。

1. 加工食品

  • ハム、ソーセージ、ベーコン: 加工肉は保存のために多くの塩が使用されており、100gあたり2~4g以上の塩分が含まれることがあります。
  • 缶詰(魚の缶詰、スープの缶詰など): 保存料として塩が多く使用されるため、1缶あたり1~2g以上の塩分が含まれていることが一般的です。

2. 調味料

  • 醤油: 大さじ1杯(約15ml)で約2.6gの塩分。
  • 味噌: 大さじ1杯(約18g)で約2.5gの塩分。
  • ソース(ウスターソース、焼肉のたれなど): 大さじ1杯で約1~2gの塩分。
  • : 小さじ1杯(約5g)で約5gの塩分。

3. インスタント食品

  • インスタントラーメン: 1食あたり約5~7gの塩分が含まれることがあります。
    スープの素に多くの塩分が含まれています。
  • カップ麺: 1食あたり約4~6gの塩分が含まれることが一般的です。
てっつー
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カップ焼きそば は食塩が6~8gと、1食で1日分の塩分を摂取します。

4. 漬物・保存食品

  • 漬物(たくあん、梅干し、キムチなど): 1切れ(約20g)で約1gの塩分が含まれることがあります。
    特に塩漬けの漬物は塩分が多いです。
  • 佃煮: 小さじ1杯(約15g)で約1.5~2gの塩分。

5. 乾物・干物

  • 干物(干し魚など): 1切れで約2~3gの塩分。
  • 煮干し、塩辛: 100gあたり約4~5gの塩分が含まれることが多いです。

6. ファーストフード

  • ハンバーガー: 1個で約2~3gの塩分が含まれることが一般的です。
  • フライドポテト: Mサイズで約1~2gの塩分。
    調味料やケチャップの使用でさらに増加します。

7. チーズ・加工乳製品

  • チーズ: 100gあたり約1.5~3gの塩分が含まれることがあります。

    特に加工チーズや硬いチーズ(パルメザンなど)は塩分が高いです。
  • バター(有塩): 100gあたり約1.5~2gの塩分。

肉や魚介類は加工する過程で塩分が添加されるため、加工前の食材の方が塩分は少ないです。

また調味料は減塩のものがスーパーなど身近なお店で購入できるので、うまく活用するといいですね。

カレーなどのスパイス系や酢の物 は、塩分を減らせます。

※東南アジアの料理って塩辛くないです。
減塩のヒントになります。

糖尿病でも間食や飲酒をしてもいい?

糖尿病の方も、間食や飲酒を楽しめます。

ただし、

習慣的に飲み食いするのは控える

糖分を多く含む菓子類は血糖の上昇につながるので、好き放題食べるのは避けましょう

甘い菓子やアルコールは中性脂肪を増やす原因になるためです。

糖尿病の方は中性脂肪が増えやすい傾向。

中性脂肪の増加 ⇒ 肥満 につながります。

肥満は糖尿病を悪化させる要因となります。

間食の摂り方

糖尿病の方のおやつは、主治医と相談したうえで楽しむといいでしょう。

決められたカロリーや糖質量を守り、血糖値をうまくコントロールする必要があります。

なお間食を上手に摂るコツは、以下の通りです。

  • カロリーと糖質を管理する
  • 糖質の低い食品を選ぶ
  • 血糖値が安定している時間帯に食べる
    ⇒過度な空腹時は避ける
  • 規則正しい時間に食べる
  • 栄養バランスを考えて、たんぱく質と食物繊維を含む食品を選ぶ
  • ゆっくり食べる
  • 個包装の商品を選ぶ
  • 食後軽い運動をすることで、血糖値の上昇を抑える

間食に適した食品の例として

野菜スティック: 低カロリーで食物繊維が豊富。ディップとしてハムや無糖のピーナッツバターを使うと良いでしょう。

ナッツ(無塩のもの): 小さな一握り(約20g)で、良質な脂肪とたんぱく質を摂取できます。

プレーンヨーグルト: 無糖のものに少量のベリーを加えて、栄養バランスの良い間食になります。

ゆで卵: 高たんぱくで満足感があり、血糖値の上昇を抑えるのに役立ちます。

飲んでもいいお酒の量

糖尿病の方でもお酒を飲んでいいと知って、びっくりする方もいると思います。

糖尿病の方でも、一般的な適量の目安として、純アルコールの許容量は1日25g程度までとされています。

これは

ビール500ml

日本酒1合(180ml)

ワイン グラス2杯(200ml)

ウイスキー シングル2杯(60ml)程度です。

ただし、つまみの種類によっては血糖値が上がりやすくなります。

またアルコールは肝臓に負担がかかるため、飲酒後に低血糖になるおそれもあります。

特にインスリンや血糖値を下げる薬を使用している場合、飲酒後に低血糖が起こりやすくなります。



血糖値への影響を最小限にするためには、
甘いリキュールやジュースを使ったカクテルは避ける

糖質が少ないドライなワインや蒸留酒(ウイスキー、ジンなど)を選ぶ   と良いでしょう。

飲酒に関しては、個々の健康状態や使用している薬によってリスクが異なるため、主治医と相談しながら、自分に合った飲み方を見つけることが重要です。

糖尿病の方が食事を楽しむ方法

食事を楽しむコツは、家族と同じ食事を摂ることです。

糖尿病だからと言って食べてはいけないものはありません。

家族と同じ食事を、自分に必要な量だけ摂ればいいのです。

糖尿病の方だけ別メニューを用意するのは、大変で長続きしにくいものです。

食べる量をあらかじめ取り分けておくことで、必要なエネルギー量と栄養素を過不足なく摂れますよ。

そして冒頭でお伝えしたように、糖尿病の食事療法は糖尿病でない方にとっても健康的で望ましい食事です。

普段の外食やデリバリー食は、濃い味付けが多く、ハイカロリーな食べ物が多い状況です。

逆に健康を意識して選ぶのが難しいのかもしれません。

後述しますが、糖質と塩分に配慮された人気のお弁当があります。

健康に配慮したお弁当を参考にしてみるのもいいですね。


またご家庭での料理は、これをきっかけに家族みんなで薄味にするなど、食事を改善してみてはいかがでしょうか?

適切なエネルギー量を把握する

自分に必要な食事量を把握するには、ご自身の1日に必要なエネルギー量を確認しましょう。

さっそく、適切なエネルギー量を求める一般的な計算方法をご紹介します。

【①1日の適切なエネルギー量の求め方】
1日の適切なエネルギー量(kcal)=目標体重(kg)×エネルギー係数

【②目標体重の求め方(65歳未満の場合)】
目標体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

【エネルギー係数】

  • 1日のほとんどを座って過ごす方:20~30
  • 通勤や家事、軽い運動を行う方:30~35
  • 力仕事や活発な運動習慣のある方:35~

たとえば「身長160cmで通勤や家事をしている方」の適切なエネルギー量は、次の通りです。

  • 目標体重=1.6(m)×1.6(m)×22=56.3(kg)
  • エネルギー係数=30~35
  • 1日の適切なエネルギー量=56.3(kg)×30~35=1689~1971(kcal)

この方の場合、1食あたり563〜657kcalになるような食事を摂ることが望ましいと言えます。

なお、血糖コントロールの状態や合併症の有無によってこの計算式に当てはまらない場合もあります。主治医に相談・確認の上実施してください。

食事のバランスを整える

バランスのいい食事は、エネルギーや糖質の摂りすぎを防いでくれます。

また食事バランスが整うと、栄養素を効率よく吸収・利用できるので体の機能が正常に働くようになります。

なおバランスのいい食事とは、主食・主菜・副菜を組合せた食事のことです。

摂取カロリー削減のために主食を抜いたり、野菜サラダだけの食事にしたりすると、栄養バランスもくずれてしまいます。

バランスのいい食事を自分で用意するのが大変なときには、以下のような出来合いのものも活用しましょう。

  • 総菜
  • 弁当
  • 冷凍食品

特に加工食品は栄養成分表示があるので、食べながら「この量でこれくらいの糖質なんだ~」確認することができるのがメリットです。

中でも糖質や塩分など、栄養バランスを考慮した弁当であれば、トータルの糖質や塩分の量も計算されていて、糖尿病の方でも安心して食べられます。

ぜひ一度、ご自身が摂るべき糖質や塩分量と、栄養表示を照らし合わせてみてください。

食事を楽しみながら血糖コントロールをしよう

今回は、糖尿病の食事について解説しました。

糖尿病でも、適量であれば食べてはいけないものはありません。

血糖コントロールは長期にわたって続けるものですから、無理なりをするとストレスを感じ、疲れてしまいます。


少しずつでもいいので、食事や食べ方を改善していきましょう。

ご自身に適したエネルギー量をバランスのいい食事で摂れれば、今回ご紹介した注意すべき食べ物も楽しめます。

通院中の方は症状は各個人異なりますから、主治医とも相談しながら、食事を楽しんでくださいね。

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おわり

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