正直に言うと、体重が落ち始めたとき、最初に感じたのは「うれしさ」よりも「不安」でした。
これまで何度もダイエットをしてきましたが、体重が動き出すときは、だいたい無理をしているか、あとでリバウンドする前触れだったからです。
その記憶が先に浮かんで、「あれ?減ってるけど大丈夫かな」という感覚のほうが強くなりました。
しかも今回は、極端に食事量を減らしているわけでもありませんでした。
確かに酒も控え、白米も減らしてはいましたが、3食食べていたからです。
それなりに食べていて、空腹でフラフラすることもない。なのに体重だけが、少しずつ下がっていく。
その状況が逆に怖かったんです。
「ちゃんと食べているのに減るって、体削れてない?」
「水分が抜けているだけじゃない?」
「このあと一気に戻るやつじゃない?」
数字だけを見ると順調なのに、過去の失敗経験が頭をよぎって、素直に喜べませんでした。
体重計の数字よりも、“今の状態が本当に健康なのかどうか”
そればかりを気にしていた時期だったと思います。
正直なところ、「もっと空腹がつらくなる」と思っていましたが、意外にも強い空腹感はありませんでした。
そのとき初めて、
「自分は必要以上に食べていたんだな」
と気づきました。
これまでは、
お腹が空いているから食べるというより、
“いつもの量”“いつもの習慣”で食べていただけだったのだと思います。
白米とお酒を減らしても苦しくならなかったということは、
体にとってはすでに十分なエネルギーがあった、ということです。
そう考えると、
この時期に体重が落ち始めたのは、
「食べる量が足りなくなった」のではなく、
体が自分の脂肪をエネルギーとして使い始めた
ただそれだけだったのかもしれません。
「空腹がない=危険」だと思っていた理由
ダイエットを始めた頃、
私は「空腹を感じない状態」に、どこか不安を感じていました。
食べていないのにお腹が空かない。
これは体に悪いのではないか、
無理をしているサインではないか、
そんなふうに思っていたのです。
その背景には、
「ダイエット=我慢」
「痩せる=空腹に耐えるもの」
というイメージがありました。
実際、過去に失敗したダイエットでは、
- 常にお腹が空いている
- 仕事中も頭がぼーっとする
- 夕方になると強烈に甘いものが欲しくなる
こうした状態が当たり前でした。
だからこそ、
今回は空腹感がほとんどないこと自体が、
「何かおかしいのでは?」
という不安につながっていたのだと思います。
ですが、冷静に体の状態を観察してみると、
以前のような不調はありませんでした。
- 眠気が強くならない
- 集中力が落ちない
- 胃が重くならない
むしろ、体は楽になっている感覚のほうが強かったのです。
このとき気づいたのは、
空腹=危険なのではなく、「不調を伴う空腹」が問題だったということです。
血糖値の乱高下や、
栄養が偏った食事を続けていると、
体は本当に必要なエネルギーを受け取れず、
強い空腹やだるさとしてサインを出します。
一方で、
食事の内容や量が整い、
余分なエネルギーを摂らなくなると、
体は意外と静かになります。
空腹を感じなかったのは、
体が省エネモードになったのではなく、
「今は十分足りている」と判断していた
だけだったのかもしれません。
この考え方に切り替わってから、
空腹がないことに怯えることはなくなりました。
むしろ、
「今日は体が落ち着いているな」
というひとつの安心材料として、
受け取れるようになったのです。
体重が減り始める直前の1週間で「意識していたこと」
実は特別なことをしていたわけではありません。
食事内容を完璧に管理したり、
運動量を急に増やしたりしたわけでもなく、
意識していたのは、かなりシンプルなことでした。
空腹かどうかを、一度立ち止まって考える
何かを口に入れる前に、
「今、自分は本当に空腹か?」
と一度だけ考えるようにしました。
お腹が鳴っているのか、
それとも手持ち無沙汰なだけなのか。
疲れているから食べたいのか、
なんとなく口寂しいだけなのか。
このワンクッションを入れるだけで、
「食べなくてもいい場面」が意外と多いことに気づきました。
無理に我慢するのではなく、
必要なときだけ食べる、
という感覚に近づいた気がします。
食後の体調を観察する
もうひとつ意識していたのが、食後の体の反応を観察することです。
食べた直後や、30分〜1時間後に、
- 眠くならないか
- 胃が重くなっていないか
- 体がだるくなっていないか
こうした変化を、良い・悪いで判断せず、ただ「見る」ようにしていました。
すると、同じカロリーでも、体の反応が全く違うことがわかります。
この気づきが、自然と食事の選び方を変えてくれました。
「今日は整っているか?」を基準にする
体重や摂取カロリーではなく、
その日の判断基準を
「今日は体が整っているか?」
に置くようにしました。
具体的には、
- 眠気が少ない
- 体が軽い
- 気分が安定している
- 胃が痛くならないか(暴飲暴食で胃潰瘍気味と診断)
こうした感覚があれば、
「今日は大丈夫」と考える。
逆に、
だるさや重さを感じる日は、
無理に何かを足さず、
次の食事を軽めにする。
この基準に変えたことで、
ダイエットが「我慢の連続」ではなく、体との対話に近いものになりました。
結果として起きた変化
この1週間で意識していたのは、たったこれだけです。
それでも、
- 眠気が減る
- 体が軽く感じる
- 食後の不快感が少ない
- 胃痛がだいぶ収まった
- 遠くが見えやすい(血糖値の安定)
こうした変化が、先に現れました。
そしてその後、
「あれ、体重も少し動いている」という状態に、自然につながっていったのです。
体重を動かそうとしていたわけではなく、
体が整った結果として、あとから数字がついてきた
そんな感覚でした。
この感覚を無視していた過去の失敗
以前のダイエットでは、
こうした体の感覚を、ほとんど無視していました。
眠くなっても
「カロリーは守っているから大丈夫」
胃が重くても
「今日は食事量少ないし問題ない」
体がだるくても
「体重が減っていないから失敗」
こんなふうに、
数字だけを正解にして、
体の反応を間違いだと決めつけていたと思います。
結果、
無理が積み重なり、
続かず、
また元に戻る。
今振り返ると、
あの時すでに出ていた
「違和感」や「不調」は、
やめたほうがいいサインだったのに、
見ないふりをしていました。
今回違ったのは、
体の感覚を“評価基準”にしたこと。
数字より先に、
体が教えてくれていたことに
ようやく気づけた気がします。
まとめ|体重は「最後」に動きやすい
ダイエットをしていると、どうしても体重の数字ばかりを見てしまいます。
ですが今回、はっきり分かったのは体重は一番最後に動く指標だということです。
先に変わったのは、
・空腹の感じ方
・食後の体の軽さ
・眠気やだるさの減少
・肌艶の良さ
・「無理していない」という感覚
こうした、数字には出ない体の反応でした。
だから辛いのです。
以前は、これらの変化を「気のせい」「意味がない」と切り捨てていました。
でも今思えば、体はちゃんと順番通りに変わっていたのだと思います。
内側が整い、
習慣が落ち着き、
無理のない状態になったあとで、
ようやく体重が動き始める。
逆に言えば、
体の感覚が何も変わっていないのに、
数字だけを追いかけても、
続かないし、また戻ってしまう。
もし今、「体重が減らない」と不安になっているなら、一度立ち止まって体の感覚を確認してみてください。
体調の変化はありませんでしょうか?
体重は結果であって、スタートではありません。
体重の減量は手段であって、健康になるための手段でもあります。
体が先、数字はあとです。
その順番を信じられるかどうかで、ダイエットの続き方は大きく変わります。
私自身、口で言うのは簡単ですが、実際にやっている時は、正直しんどかったですよ。
もし「体重より先に体の感覚が変わる食事って、どう作るの?」と感じたら、
自分が試していた方法を別記事にまとめています。
👉 体調の変化が先に出た食事管理のやり方
おわり


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